
UI/UXデザインを学ぶために本を探してるんだけどおすすめが知りたい…

転職やスキルアップを目指しているけど、効率的に学びたい…
そんな人向けに、今回は実際に筆者が読んで役に立ったものを9冊厳選してご紹介したいと思います。
筆者はWebデザイナーからUI/UXデザイナーに転身して2年が経ちますが、この期間中に読んだものになります。
意外にも、読んだ本全てが「UX」と銘打ったものばかりじゃないんですよね。それだけUXデザインの領域は広いんだろうなと、、あとは単純にビジネススキルを上げるための本も入れてるので、その点だけご了承ください。
まず先に、今回この記事でご紹介する本の一覧はこちらです↓
- 世界一流エンジニアの思考法
- 行動経済学が最強の学問である
- はじめてのUXリサーチ ユーザーとともに価値あるサービスを作り続けるために
- デザインの伝え方
- はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで
- 入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法
- 体験設計 ビジョンから優れた経験価値の創出へ
- プロダクトマネジメントのすべて
- UXグロースモデル アフターデジタルを生き抜く実践方法論
それぞれの本を個人的な目線で評価し、グラフ化したものがこちらです。
それでは早速、それぞれの本について紹介していきます!
本の紹介(9冊)
1冊目:世界一流エンジニアの思考法
著者:牛尾 剛
出版社:文藝春秋
単行本:1,760円(kindle版1,700円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
エンジニアとしての思考法や働き方を具体的に解説した一冊です。試行錯誤の重要性や、仮説を立てて検証するプロセスなど、実践的なアドバイスが豊富に含まれています。初心者から上級者まで、幅広い層に役立つ内容となっています。
この本が役に立ったポイント
マルチタスクが求められる現場ではタスクの優先度づけが大変だったのですが、今最も取り組まなければならないタスクは何か1つに絞りきるところに衝撃を受けました。
どれも優先度が高くても、「今日はこれだけ最優先で進める」という絞り込みを決め切るところが重要なんだと思います。私は普段から顧客の声を分析したり、肩やデザイン面でもUIを作成し、他部署との様々な案件でのやり取りが多くマルチタスクが当たり前になってたのでこの本は自分にとって刺さる本でした。仕事全般に言えることなので、どんな場面でも使える。と言えますが、あまりにもざっくばらんとしてますよね(笑)
強いていうなら「判断が必要な場面での考え方とそのプロセス」が詰め込まれてるので、業務を効率的にかつ有効的に進めたいといった場面で使えるものが多いと思います。
こんな人におすすめ
エンジニアに限らずどんな方でも見て良い内容でした。
強いていうなら、
- IT企業に勤めている方全員
- 仕事をたくさん持ってしまいがちな方
- 効率が悪いと自分では分かってても解決法がわからない方
この辺りの方は刺さる内容かと思います。
2冊目:行動経済学が最強の学問である
著者: 相良 奈美香
出版社:SBクリエイティブ
単行本:1,870円(kindle版1,683円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
行動経済学の基本概念を、具体例を交えながらわかりやすく説明しています。学術的な内容を平易な言葉で解説しており、初学者にも理解しやすい構成です。ビジネスや日常生活での応用方法も紹介されており、実践的な知識が得られます。
この本が役に立ったポイント
ユーザーの意思決定プロセスの理解:いつどこで何がしたい?といったように、行動経済学の理論を学ぶことで、ユーザーがどのように選択や判断を行うかを深く理解できます。これにより、ユーザーが直感的に操作できるデザインや、迷わず行動できるインターフェースの設計に役立ちます。そういう意味ではデザインと行動経済学は親和性が高いと思います。
バイアスへの対処:人間の認知にはさまざまなバイアス(偏り)が存在します。本書を通じてこれらのバイアスを理解することで、ユーザーが誤った判断をしないようなデザインや、バイアスを逆手に取った効果的なデザインを考案できます。
実はデザイナー自身がキャリアを重ねるほど、「〜〜だからこの色がいいはず!」のように、一定のバイアスがかかることがあると思います。本書は作り手側のバイアスを理解することで、作り手としての新たな気づきも得られるのではと思います。
こんな人におすすめ
UI/UXデザインの基盤となるユーザー心理の理解に役立つと思います。
- デザイナー全般(特にUI/UX)
- 行動経済学を基礎から体系的に知りたい人
3冊目:はじめてのUXリサーチ ユーザーとともに価値あるサービスを作り続けるために
著者:松薗 美帆、 草野 孔希
出版社: 翔泳社
単行本:2,200円(kindle版1,980円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
UXリサーチの基本から実践までを網羅した入門書です。リサーチ手法の選び方や、組織内での活用方法、仲間の増やし方など、具体的なプロセスが詳しく解説されています。初心者でも取り組みやすい内容となっています。
この本が役に立ったポイント
UXリサーチを行うための手法全般を学ぶことが出来ました。プロセスの話はもちろんですが、人の巻き込み方やどのUXリサーチで分析を進めるのかのアプローチについても詳しく書かれています。
個人的にはユーザビリティテストが取りかかりやすかったです。プロトタイピングの方法や当日のテスト進行、その後の被験者にインタビューを実施する際のポイントなど一連のノウハウが書かれていて、ベースとなる手法を学ぶいいきっかけになりました。
ここから自分なりにアレンジしてリサーチで知りたいことを的確に探索できるようなフレームワークを見つけていきたいですね。
ユーザビリティテストはもちろん、ユーザーインタビューなんかについても詳しく書かれています。ユーザーが本当に欲しいものがなんなのか?それを知るためのアプローチが書かれているので、これを習得できればデザイナーとして一段上がるのではと思います。”
こんな人におすすめ
UI/UXデザイナーに興味がある方・初学者
4冊目:デザインの伝え方
著者:Tom Greever
出版社:オライリージャパン
単行本:1,815円※中古のみ
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
デザインの意図を関係者に効果的に伝えるためのコミュニケーション技術を紹介しています。ステークホルダーの視点を理解し、デザインの狙いを明確に伝える方法や、ニーズを引き出すコツなどが詳しく説明されています。デザイナー以外にも役立つ内容です。
この本が役に立ったポイント
実はまだ全て読みきれていないのですが、デザイン案をステークホルダーに説明する時に役立ちそうです。なぜそのデザインにしたのか意図を伝えることと、その案である必要性をどう説得して納得してもらうのかなど、デザイン系の本によくある技術的なノウハウではなく、人にデザインを伝える時のコミュニケーション観点でステップアップできる数少ない本だと思います。
こんな人におすすめ
- デザイナー3年目以降の方
- 上手くデザインの意図を伝えることが出来ないと感じている方
5冊目:はじめよう! 要件定義 ~ビギナーからベテランまで
著者:羽生 章洋
出版社:技術評論社
単行本:2,178円(kindle版2,134円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
ソフトウェア開発における要件定義の重要性と進め方を解説した書籍です。豊富な図解とともに、UI、機能、データの3つの要素をどのように定めるかがわかりやすく説明されています。初心者からベテランまで、幅広い層におすすめです。
この本が役に立ったポイント
ユーザー視点の要件定義への貢献:デザイナーはユーザー体験を最優先に考える立場として、要件定義の段階でユーザーのニーズや課題を的確に反映させる役割を担います。これがいわゆる要件定義の中でも「業務要件」にあたるのですが、本書ではユーザー視点を取り入れた要件定義について図解でわかりやすく書かれています。UI/UXを考える上でも「業務要件」を決めることは大前提です。なので、業務要件の作り方といったところでの最初の一歩にはおすすめです。
こんな人におすすめ
- 開発現場において要件定義を担う方
- UI/UXデザイナーに興味がある方、初学者
6冊目:入門 考える技術・書く技術――日本人のロジカルシンキング実践法
著者:山崎 康司
出版社: ダイヤモンド社
単行本:1,650円(kindle版1,188円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
論理的思考と文章作成の技術を体系的に学べる一冊です。ピラミッド構造を中心に、考えを整理し、わかりやすく伝える方法が具体的に解説されています。ビジネスシーンでのコミュニケーション力向上に役立つ内容です。
この本が役に立ったポイント
概要にもある通り、ピラミッド構造で一度整理して本当に伝えたいことは何かを考えるフレームワークについて詳しく記されています。例題に沿って実際のビジネスシーンでどのように活かせるかわかりやすく解説してくれているので、ロジカルに物事を伝えるための新しい武器としてこの1冊で習得しておきたいですね。
上司や他部署など様々なやり取りが発生する中で、相手がどんなに忙しくても有効に伝えたり目に止めてもらえたりするためのノウハウが書かれているので必見です。新卒社会人には是非見てもらいたい1冊です。
こんな人におすすめ
社会人全員(特に新卒の方)
7冊目:体験設計 ビジョンから優れた経験価値の創出へ
著者:髙橋 克実
出版社: 丸善出版
単行本:2,640円(kindle版2,587円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
ビジネスの未来を見据えた「体験設計」の考え方や実践方法を提示しています。デザインの視点に基づいた思考や、マネジメント的な視点が詳しく解説されており、具体的なフレームワークや事例も紹介されています。
この本が役に立ったポイント
体験設計のアイデア出しの参考になりました。特に理解度が深まったのは構造化シナリオの部分です。ビジネス、ユーザー両方の視点から必要な機能がなんなのかを探索し、絞り込む時に使えます。本書では一般的に知られている構造化シナリオをアレンジした事例が紹介されていて、私としては「そもそもなぜ構造化シナリオを作る必要があるのか?」の疑問に対する理解に繋げられたのがよかったです。
いつも私はデザインから解決策を出そうとしてしまいがちだったのですが、ユーザーの行動から掘り下げることで、本質的な要求を言語化してプロトタイプ作成に取り掛かれるので課題の軸がブレにくくなりました。
こんな人におすすめ
UXデザイナーの方でさらにスキルアップを目指している方
8冊目:プロダクトマネジメントのすべて
著者:及川 卓也、曽根原 春樹、小城 久美子
出版社:翔泳社
単行本:2,970円(kindle版2,673円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
プロダクトマネジメントに必要な知識やスキルを網羅的に解説した教科書的な一冊です。事業戦略、IT開発、UXデザイン、マーケティング、チーム運営など、多岐にわたるトピックが丁寧に説明されています。
この本が役に立ったポイント
まだ自分にとってはこの段階まで行けてないのではと感じる一方、プロダクトマネージャーなどのより上位職に就くために必要な知見について書かれているので開発現場の中でキャリアを考えていきたい方には、本書は大変有用だと思います。読めば読むほど、PdMが求められる範囲が広いことに驚くばかりですが、デザイナーからのステップアップとしてPdMというのは十分にアリだと思います。デザイナーはユーザー目線であったり、マーケティング観点で普段からアイデアを形に起こすのが得意な職種なので、多いに活かせるのではと思います。
こんな人におすすめ
- UXデザイナーからさらに一段上を目指したい方
- プロダクトマネージャーを目指す方
9冊目:UXグロースモデル アフターデジタルを生き抜く実践方法論
著者:藤井 保文、小城 崇、佐藤 駿
出版社:日経BP
単行本:3,638円(kindle版3,168円)
※2025年2月時点での金額です。
本の概要
デジタル時代におけるUXの進化を実現するための方法論をモデル化し、具体的なプロセスや考え方を解説しています。トップダウンとボトムアップの両面からアプローチする手法が紹介されており、組織でのUX推進に役立つ内容です。
この本が役に立ったポイント
「アフターデジタル」の世界では、すべてがオンラインでつながり、産業構造が大きく変化していて、本書を通じて、デジタル時代におけるUXの重要性や、企業が取るべき戦略を学ぶことができると思います。
また、UXを企業戦略としてどのように取り入れて推進しているのか実際の事例も紹介されています。
また、UX検定という資格でも課題図書として指定されており、UI/UXに興味ある方やこれから勉強する方にも一読しておきたい1冊となります。
本書を読んだ時期がUI/UXデザイナーに転身したての頃でしたので、本書の内容を理解するのには時間がかかった記憶があります。ある程度実務をこなした人から見ると、解釈の仕方がまた変わってくるのかなと思います。
組織全体にUXを理解してもらうには?という課題に取り組む際には役に立つと思います。
こんな人におすすめ
- UXを組織レベルで普及させたい方
以上9冊の紹介でした!気になる本はありましたか?
振り返ってみると、意外にもUIに特化した本は読めてないですね…
デザイン力もさらに鍛えなくてはと思ってるので、またある程度読み込んだら紹介記事を執筆してみようと思います!
それでは!